Yamabushi Kirio
自分の呼吸を、もう一度思い出す。
山に生きる山伏の視点から、物語を語り、心を整える時間をつくっています。 生きづらさを抱えるあなたへ。急いで強くならなくても、まずは自分の呼吸に戻るところから。 忘れていた静けさを、もう一度その手に。
Message

日本の暮らしには、古くから受け継がれてきた文化があります。神社の空気、季節の節目、小さな祭り。派手ではないけれど、そこには、人が自分の足で生きていくための知恵が、静かに息づいています。
私が育ったのは、家が百軒ほどの、山あいの小さな集落でした。人が減り、消えていくと言われる土地です。それでも祭りの日、人々の顔は不思議と生き生きしていました。そこには否定がなく、ただ、みんなが同じ時間を分け合っている。これこそが、日本の古き良き文化なのだと、今になって思います。当時の私は、その大切さに気づいていませんでした。
私たちは、思っているよりずっと、この古い文化に支えられています。人と人が心を通わせる呼吸。人が集まって支え合う仕組み。季節と体のリズム。おいしいと感じる理由。歌声や音に心が震える瞬間。——その多くの根っこに、昔ながらの暮らしの知恵があります。
けれど、その形は年々薄くなっています。見えないものと向き合う作法が消え、代わりに、心を病む人が増えました。これからさらに時代が進めば、行き場をなくす人も増えていくでしょう。
それでも、私は思うのです。人は生まれたときから、この世界で呼吸し、自分の足で立つための感覚を、ちゃんと持っている。人と関わることも、感じ取ることも、もともと備わっている。ただ、暮らしのしがらみの中で、少しずつ忘れていくだけなのだと。
だから私は、その感覚を思い出してもらうための活動をしています。特別な誰かに預けなくても、あなたの中には、戻れる呼吸がある。忘れてしまっているだけの、その静けさを、もう一度その手に。
My Path

山伏の修行の場は、山です。山は、生と死のあいだにある世界。
そこに身を置くには、大なり小なり、覚悟が要ります。
私がそう思えるようになった最初の「覚悟」は、大きな事故のあと、壊れた自分の体と正面から向き合ったときでした。
若いころ、私は車が好きで、無茶な運転をしていた時期がありました。ある日、大きな事故を起こし、命を落としかけました。一命はとりとめたものの、体には、消えない後遺症が残りました。
年月がたつほど、心は暗い感情に飲み込まれていきました。「もう終わった」「どうせ、何もできない」。自分で自分を憎み、責める日々。カーテンを閉め切って、ただうずくまるだけで一日が終わることも、何度もありました。目の前に本当にシャッターが降りるように、何も見えなくなる——その感覚を、今でも覚えています。
その暗い感情から、私はずっと逃げていました。けれど、逃げきれないと分かったとき、私はようやく、その闇と正面から向き合いました。
不思議なことに、行き場を失っていた暗い力は、少しずつ、前へ進む力に変わっていきました。壊れた体を抱えたまま、それでも、体を動かすことから始めた。その一歩、また一歩が、やがて私を山へと向かわせ、山伏の道へとつないでいったのです。
だから、私は知っています。絶望も、怒りも、無理に消さなくていい。向き合えば、それは次へ進む力に変わる。いま、あなたが抱えているその重たい感情も、きっと。
Four Feelings
あなたの感情は、厄介なものではありません。うれしさも、怒りも、哀しさも、楽しさも、心が世界に触れたときに立ちのぼる「天気」のようなもの。無理に晴らそうとせず、その流れを整えていく。それだけで、日々は少しずつ変わっていきます。

心がひらいて、何かを受け取れた合図。

大切なものを守ろうとする力。鎮めれば、前へ進む力に。

失ったものとのつながりが、まだ生きている証。

まわりのリズムと、調子が合っている状態。
どれも、あなたに生まれつき備わった力です。消すのではなく、流れを整える。それが、忘れていた自分を取り戻す、最初の一歩になります。
Inheritance
昔の人は、季節の節目に暮らしを合わせて生きてきました。光が満ちる日、影へ向かう日。始める時、手放す時。暦とは、世界のリズムに、体と心を合わせ直すための知恵でした。
小さな祭りに人が集まり、顔がほころぶのも、同じことです。理屈ではなく、体がその流れを覚えている。そういう文化を、私は少しずつ、これからの言葉に置き換えて手渡していきたいと思っています。
自然で得た学びをVRへ。VRで生まれたご縁を、また現実の暮らしへ。行ったり来たりしながら、人と人が無理なくつながれる場所を育てていきたいのです。
千里の道も一歩から。
万里の道も、やはり一歩から。
継続は力なのではありません。
継続こそが、力なのです。
Activities
自然の智慧を、VRという新しい世界へ。山で得た静けさや、呼吸を整える時間を、物語、瞑想、コミュニティづくりの中で手渡しています。
日常のすぐ隣にある不思議を、語りや朗読に向いた物語へ育てます。
瞑想インストラクターとして、急がず自分の呼吸へ戻る時間を整えます。

月に一度、VRChatで静かに自分と向き合う瞑想会イベント主催をしています。
季節と体調にそっと寄り添う、やわらかな便りを届けています。

「人と人が、自然につながる世界を育てる」という理念のもと、VRChatでコミュニティやワールドを育てる活動体に、副代表として関わっています。代表のちはやさんが手がけるワールドは全累計訪問2,000万回以上。日本語話者向け集会場「FUJIYAMA」は累計1,300万回以上、地元交流ワールド「ZIPANG」は2026年内リリース予定です。人がふっと集まり、言葉を交わし、また明日も来られる場所を、静かに育てています。
FUJIYAMA PROJECTS 公式サイトへ →
Works and Proof
物語や語りに関わる制作を100本以上重ねながら、VRChatで人が安心して集まれる場を育ててきました。FUJIYAMA PROJECTSの運営、VRC瞑想会イベントの主催、出演やコラボを通して、声と場の力を届けています。
Voice and Links
まずは少しだけ声にふれてみたい方へ。物語の音声や、季節のおたより、ほかの物語へつながる場所をまとめています。
物語の音声データは、ここに試聴用として載せていく予定です。ほかの物語やおたよりは、Discordから聞いたり読むことができます。